まほろばで君と

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第2話「失っていた感覚」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1992年5月の話 主人公は23歳] 6年ぶりに再会した善晶と優子。 善晶はラッコショーの間、優子を横目に奇妙な感じがしていた。高校時代と違って、女性と積極的に話せなくなった自分に違和感を覚えた。 「俺ってほ…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第1話「再会」

この話は昨年6月に書いた初めての小説的なものです。大げさに言うと処女作ということになります。あまりにもお粗末で、私自身、読むに堪えないですが、記録として残します。 [1992年5月の話 主人公は23歳] 1992年春、高校の同級生3人が集まった。 浩は今…

私小説『月の彼方へ』第4(最終)話「二度目の再会」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com 2020年1月17日、違う世界の1994年12月10日に行き、あれから1年が経とうとしている。こちらでは1年だが、向こうでは4年経っていて、もう何回か分からないぐらい会っている。前回会った時は1999年9月になっていて…

私小説『月の彼方へ』第3話「積年の想い」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com あの日から10日が過ぎた。 2020年のこの時代に公衆電話から掛かってくることは珍しいが、1994年当時、携帯電話を持っている人は稀だったため、外から電話を掛ける時は公衆電話を使うのが当たり前だった。あの日、知…

私小説『月の彼方へ』第2話「時空はひとつ」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com タイムスリップしたとしか思えないこの状況と、若返った自分に戸惑いながら、1994年12月公開の『スピード』を観終わった。テレビでも見たので、これで4回目になる。しかし、知美にとっては公開直後なので初めてだ…

私小説『月の彼方へ』第1話「過去世と過去」

人は誰でも「あの時ああしていれば」と思うことがある。後になって、それで人生が変わっていたかもしれないと気づく。今の人生経験や知識、知恵があれば違う判断や行動をしていたのにと思う。 これは人の数と同じだけあるそんな話。 2020年、東京オリンピッ…