まほろばで君と

2020-01-01から1年間の記事一覧

私小説『昨日のような遠い記憶・唯一のコンパ編』第5(最終)話「年賀状のち再手術」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1994~1995年の話・主人公は25歳] 3か月間、連絡も兼ねて文通しているが、知美からきた手紙にこう書かれてあった。 「実は会社の上司と不倫しています。でも、別れようと思ってます」 知美のこれまでの言動から…

私小説『昨日のような遠い記憶・唯一のコンパ編』第4話「束の間の楽しい記憶」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1994年の話・主人公は25歳] 10月のある日、知美から何度目かの手紙が届いた。 1994年は携帯電話の普及率が3~4%でメールもなかったため、連絡する方法は自宅に電話をかけるか手紙しかなかった。善晶も知美も…

私小説『昨日のような遠い記憶・唯一のコンパ編』第3話「ただのいい人」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1994年の話・主人公は25歳] 9月最初の土曜の午後、善晶と知美はATCに向かった。 車内で冷房をつけていても直射日光が暑い。ZARDの最新アルバムを流して、気分だけでも爽やかにする。知美との初デートというのも…

私小説『昨日のような遠い記憶・唯一のコンパ編』第2話「退院祝い」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1994年の話・主人公は25歳] 一年で最も寒い2月14日の深夜に救急搬送され、長い間入院していた善晶が退院した。それも、院長に早く退院したいと申し出てやっと退院できた。季節が過ぎてすっかり暑くなっている。 …

私小説『昨日のような遠い記憶・唯一のコンパ編』第1話「事故の夜」

小説っぽいものを書いた2作目です。昨年の夏に書いて、細かい修正を繰り返しています。全5話で実話の部分が多く、そこの会話は実際にしたそのままです。 これを書いたのは、自分を俯瞰で見て心の整理をするのと、後年ハッキリ気づいた気持ちを吐き出したい…

賢い人間になりたい

ブログなどで他人の文章、自分へのメッセージや言葉を読むと、自分は頭が良くなく劣っていると感じることがある。20歳の頃に高等教育を受けていない(高卒だった)ことが理由の大きな割合を占めている。 勉強が出来ないから大学に行けなかった訳じゃない。こ…

欲望より共生を基盤にした社会(福島第一原発事故再考)

福島第一原発事故から9年が経過します。最近は原発事故に関する議論もほとんど聞かなくなりました。 あの事故は、経済成長や科学技術の発展には限りがないという、一部の人間の傲慢さが引き起こしたとも言えます。刹那的思考による過度な消費主義の行きつく…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第6(最終)話「大切なもの」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1992年12月、93年3月の話 主人公は23~24歳] 12月上旬、街は赤と緑のクリスマスカラーの装飾が施されて、『We Wish You a Merry Christmas』が流れていた。 善晶と優子はオムライス専門店で夕食を取ることにした…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第5話「花火大会」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1992年8月の話 主人公は23歳] 善晶と優子が付き合い始めてから2か月が過ぎた。テレビでは連日、バルセロナオリンピックが放送されている。水泳平泳ぎで無名だった中学2年の岩崎恭子が金メダルを取った時のイン…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第4話「デート!」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1992年5月の話 主人公は23歳] みんなで水族館に行ってから6日後の午後2時、大阪で有名な待ち合わせスポット、泉の広場に善晶と優子がいた。 映画館はここからすぐの所にある梅田ピカデリーで、大阪の一番ど真…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第3話「帰り道」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1992年5月の話 主人公は23歳] 水族館を堪能した5人は、当時流行っていたティラミスが食べられる店で食事することにした。 水族館で優子と2人で話すことが多かった善晶は、スタンドプレイ気味だったと思い、改…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第2話「失っていた感覚」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com [1992年5月の話 主人公は23歳] 6年ぶりに再会した善晶と優子。 善晶はラッコショーの間、優子を横目に奇妙な感じがしていた。高校時代と違って、女性と積極的に話せなくなった自分に違和感を覚えた。 「俺ってほ…

私小説『昨日のような遠い記憶・同級生編』第1話「再会」

この話は昨年6月に書いた初めての小説的なものです。大げさに言うと処女作ということになります。あまりにもお粗末で、私自身、読むに堪えないですが、記録として残します。 [1992年5月の話 主人公は23歳] 1992年春、高校の同級生3人が集まった。 浩は今…

私小説『月の彼方へ』第4(最終)話「二度目の再会」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com 2020年1月17日、違う世界の1994年12月10日に行き、あれから1年が経とうとしている。こちらでは1年だが、向こうでは4年経っていて、もう何回か分からないぐらい会っている。前回会った時は1999年9月になっていて…

私小説『月の彼方へ』第3話「積年の想い」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com あの日から10日が過ぎた。 2020年のこの時代に公衆電話から掛かってくることは珍しいが、1994年当時、携帯電話を持っている人は稀だったため、外から電話を掛ける時は公衆電話を使うのが当たり前だった。あの日、知…

私小説『月の彼方へ』第2話「時空はひとつ」

<前回の話> endertalker.hatenablog.com タイムスリップしたとしか思えないこの状況と、若返った自分に戸惑いながら、1994年12月公開の『スピード』を観終わった。テレビでも見たので、これで4回目になる。しかし、知美にとっては公開直後なので初めてだ…

私小説『月の彼方へ』第1話「過去世と過去」

人は誰でも「あの時ああしていれば」と思うことがある。後になって、それで人生が変わっていたかもしれないと気づく。今の人生経験や知識、知恵があれば違う判断や行動をしていたのにと思う。 これは人の数と同じだけあるそんな話。 2020年、東京オリンピッ…

脳内お花畑になる心的事情

スピリチュアルな話に「脳内お花畑」という言葉がよく出てくる。非現実的でふわふわした能天気な思考回路で思慮が浅い状態をいう。スピリチュアルの場合は間違った方向に導くことから批判の対象になる。僕もそういう人間に嫌悪感がある。 ただ、自分がこれま…

ジェッターマルスの歌詞と未来予想図

1970年代後半の小学校低学年の頃、手塚治虫のアニメで「ジェッターマルス」という鉄腕アトムのリメイク版が放送されていた。すごく昔のアニメだけど、先日、「マルス2015年」という主題歌の歌詞がふと浮かんだ。 ♪ひかりまぶしい日本にひとつのいのちがはば…

人に期待しないのがいい

自分に言い聞かせていることがある。 「人に期待しない」 人に期待すると期待外れだった時の落胆が大きいし、依存していると言えなくもない。でも、アホやからつい忘れてしまう。人に期待しなければ傷つかなくて済むのに…。 色んなことで人に期待する時があ…

自己肯定感がダントツに低い日本人(国際データ比較)

自分は無価値だと言う人がいるが、本当は価値があるのを認めている。 認めているからこそ、 「馬鹿にされる」「無視される」「罵倒される」「否定される」「拒否される」「理解されない」 こういう無価値を感じさせられる言葉や行為に対して怒りを覚える。 …

教育相談とカウンセリングの相違点(教職課程レポート)

学校で教師が行う教育相談とカウンセリングの違いについて、2008年5月に書いたレポートの一部を省略したものを掲載します。学校に通うお子さんのいる方や、子供に助言する立場の方の参考になればと思います。 テキストはミネルヴァ書房の『学校教育相談』で…

生きるとは(生命倫理レポート)

「生きる」とはどういうことかについて、2009年7月に書いたレポートの一部を省略したものを掲載します。 テキストは世界思想社の『生命倫理学を学ぶ人のために』です。 生命倫理学を学ぶ人のために 作者: 出版社/メーカー: 世界思想社 発売日: 1998/01 メデ…